Hideko

パリに見出されたピアニストのHidekoのレビュー・感想・評価

4.0
原題: Au bout des doigts
英題: In Your Hands

バッハ、ショパン、ラフマニノフ…数々の名曲が流れ、ピアノの大好きな自分にはグッとくる作品でした。

類い稀なピアノの才能を持った主人公(マチュー)とそれを開花させる指導者たち(パリ国立高等音楽院のディレクターであるピエールと女伯爵と呼ばれる厳しいピアノ教師エリザベス)。特に捻ったストーリーではないのですが、マチューがコンクールで演奏する曲が、ラフマニノフのピアノコンチェルト No.2で、これまた大好きな曲だったので、本格的なレッスンが始まってから、コンクールのシーンまで涙腺崩壊してしまいました。欲を言えば、コンクールのシーンでもう少し演奏を聞かせて欲しかったかな。

私事になりますが、自分は不注意から左肩を酷く骨折してしまい、その後リハビリを頑張りましたが左腕が思うように動かなくなり、指の動きにまで影響が及びピアノが自由に弾けなくなってしまいました。元々クラシック音楽が好きで、コンサートなどにも足を運ぶ生活でしたが、今のコロナ禍でそれもままならなくなり…。
そんな中クラシック音楽を題材にした作品には強く惹かれます。なんとか元のようにピアノが弾けるようになりたいと思う毎日です。

本作の日本劇場公開は2019年9月ですからコロナ前だったわけで、劇場で鑑賞し、余韻に浸りたかったなぁ…。

マチュー役のフランス映画界期待の新星、ジュール・ベンシェトリの澄んだ瞳と真っ直ぐな視線がとても印象的でした。

ピエールの言葉「演奏には子供の心が必要だ。”天才は子供の心を取り戻した大人” ボードレールだ。 」
Hideko

Hideko