マッキー

幼い依頼人のマッキーのレビュー・感想・評価

幼い依頼人(2019年製作の映画)
3.8
〝虐待〟がテーマ。
とても重い話。自分も
幼稚園教諭を務めているので
とても考えさせられました。

でも重いテーマとは裏腹に
前半は割と気楽な感じ☀️

主人公も就職に失敗続きで
腑抜け状態、臨時で始めた
児童福祉館の仕事も適当〜 笑 
人とのやりとりも
気が抜けててなんだか軽い… 笑
 
圧のあるお節介姉貴や
その姉貴の家族達も雰囲気が
もうおもろい😁

思ってたよりもコミカルで
気構えずに観れました✨

そして、中盤から一気に
シリアスに変わります😨
⬛️🟦⬛️🟦⬛️🟦⬛️🟦⬛️

幼い2人の子役が自然体で。
だからこそのリアルさ😖
虐待の描写はひとつひとつ
胸をえぐられます🟥⬛️🟥⬛️

お姉ちゃん役の
チェ・ミョンビンちゃんが
とても可愛らしくて演技力あって
とても惹かれる子役さんでした✨
だからこそ・・・
ここのキャスト欄に
名前がないのはなぜだーー!?💢

笑顔満点 元気溌剌の少女の笑顔が
どんどん消えていくのは
観ててしんどかったです(T_T)

継母がこれまた
実に腹立たしいーー💢💢
演じてるユソンさんの
演技力や迫力は圧巻で、
殴る蹴る罵るなどのシーンは
「演じてて辛かった」と本人も
インタビューにて。
女優魂を感じますね✨

最初のうちは冷静に子どもに
注意してたし、やんちゃで
言うこと聞かない子どもに
イライラしてしまう気持ちは
分からなくもなく、、、、

でも首絞めたり悪態ついたり、
殴る蹴るもエスカレートしてって
残酷なシーンが増えていく…(>_<)

父親なんかあれ実父なのに
全くもって無関心💢
なんなんだあいつは💢
胸糞悪い!!

そしてとうとうこの作品の肝!
弟が殺されお姉ちゃんが
自首してきます。。。実際あった
『漆谷(チルゴク)継母児童虐待死亡事件』
がベースだそうです。

事件になってから
大人がやっと向き合う、ってのが
ほんとやるせない。。。

虐待って
閉ざされた密室で起きるから、
プロでも介入が難しいし、
気づいてあげられなかったり、
軽く扱われたり、分かっていても
確実な証拠がなければ
手出しできなかったり、、、

主人公も最初のうち、
姉弟が懐いてくれていたのに、
明るく振る舞っているから
ついつい虐待も軽く扱ってしまう…

虐待の重さを痛感した時には
すでに遅く、少女も完全に
心を閉ざしていました…

はたしてあの子の心を
また開けるか!?ってのも
見どころ❗️

クライマックスの裁判シーンは
良かったけど、もう少し演説に
感動が欲しかったなぁ…

ちなみに忘れてはならないのが
何気に少女を影ながら支えていた
同級生の男の子!あまり
フューチャーされないけど
この子の存在も〝救い〟✨

映画では主人公が少女の為に
奔走してくれたけど、
実際のこの事件でも、
こうやって少女に
手を差し伸べる大人が
いてくれたのだろーか。。。

本作は虐待だけに
警鐘を鳴らしてるのではなく、
周りの見て見ぬふりする
傍観者への警鐘も込められています。

でも、直接関与してしまったら

自分も被害を被るかもしれない、
自分の信じた〝正義〟が、
人や立場によっては〝不義〟に
なるかもしれない。。。
そんな不確かな世の中で、
いろんな犠牲を払ってまで
他人のために行動を起こせるか、、、

傍観者から当事者に
なるのだって覚悟がいる・・・

また虐待の程度によっては、
一概に親だけを責められない
側面もあって、孤独な子育てに
悲鳴をあげる親に
手を差し伸べることが虐待防止に
つながることも大いにある。
果たして責めずに手を差し伸べる
ことができるのか。。。

でもその一方でもちろん
〝死に至らしめたら〟
もう責められて当然、とも思います。
虐待問題の根深さは
計り知れないですね。。

自分だったら
どう関わっていくか…
幼児教育に携わる者として
いろいろ考えさせられました…

本作は、問題提起として
意欲的な作品だったようですが、
興行的には観客動員数は
伸びなかったようで、、、、
児童虐待に真っ向から挑んだ作品、
たくさんの方に見てほしいですね。。
地上波でもやったらいいのに。

少しだけでも兆しのあるラストは
ホッとしました。

主人公は・・・
他のレビュアーさんも
おっしゃっていたように
星野源さんに見えて仕方なかった 笑  

でもこのイ・ドンフィさんの
〝抜き〟の演技も、真剣な演技も、
この作品を盛り立てていて
魅力的な俳優さんでした✨
マッキー

マッキー