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はちどりのmoneのレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
3.7
14歳ウリの世界は学校、家、塾が全て。荒んだ家庭状況、恋人との出会いと別れ、友達の裏切り、病気、極め付けはソウル大橋の転落。主人公に容赦ない理不尽が連続する展開で、ウリにじわじわと感情移入していた私もかなり辛くなりました笑

その様なウリの世界に、名門ソウル大学を出たにも関わらず大学を休学して塾に勤め始めたヨンジ先生が現れます。この先生は聡明であるにも関わらずタバコを吸ってあちこちをフラフラする、少し変わった人物として描かれますが、ウリに少しも偉ぶらず真正面から向き合う姿勢が素敵でした。あまり自分のことを多く語らない先生はミステリアス且つ神秘的でな雰囲気を見事に醸し出しており、この役者さんに出会えただけでも感謝したいくらい。そんなヨンジ先生の教えに、ウリも、ウリに共感してた私も救われました。

「顔だけ知っている人は何人もいるけれど、心の中まで知ることができる人は何人いるだろうか。」

「自分のことが嫌いになったら、指を一本ずつ動かしてみて。何もできない気がするような時に、少なくとも自分は手を動かすことができる、って思えるから。」

「世界は不思議で美しい。誰かと出会い、何かを共有して生きていく。」

この三つは特に印象的でした…ヨンジ先生に、切実に弟子入りしたいです。笑
恋愛対象の性の境目が曖昧だったのもすごくリアルで良かったなぁ。
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