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はちどりのERのネタバレレビュー・内容・結末

はちどり(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

 キム・ボラ監督の長編映画デビュー作。
 葬式では大声で泣く、指切りで親指と小指を合わせるなど、日本には無い韓国の描写が多くて興味深かった。

 暴力ばかり振るう兄が唐突に泣き始めたり、道を歩いて見つけた母に声をかけるも全く反応してくれなかったり、「普段見ているあの人の全く異なる一面」を描いたシーンが多かった。

 まさに「相識満天下 知心能幾人(知っている人の中で本心まで知っている人は何人?)」という問いを映画全体で体現しているように思える。

 もう1つ映画のテーマとして印象に残ったのは、ウニ(パク・ジフ)の通う漢文教室の先生・ヨンジ(キム・セビョク)から教えてもらった、「どんなに理不尽なことが起こったとしても、自分の手を見て動かすことはできる」のシーン。

 明らかに「どこかで伏線として回収されるんだろうな〜」と思えるシーンだったゆえに、後に出てきた時は「そっか……ここで伏線回収するのか……」と、静かなシーンにも関わらず強烈なインパクトがあった。
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