たぶ

はちどりのたぶのネタバレレビュー・内容・結末

はちどり(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

14歳の中学生のころは、こんなに悩んでたかなぁ、塾の先生に悩みを打ち明ける事なんてあったかなぁと、自分の当時を振り返るが、この年頃の男子は、女子よりも精神的な成長が遅いのだと気づく。私は男で、ウニは女だ。
やっぱ女子はこの年頃で悩んじゃうのかなぁ。いや、家庭の境遇がそうさせちゃうのかな?
とにかく中学生の自分がこの映画を見たとしても、ちっとも面白くないと思う。しかし大人になった今、淡々と語られるウニ視点の日常が、ひとつひとつに感嘆してしまう。
もう一度いつか見返したい。

周囲の人たちとのズレを感じまくるウニ、確かに自分は存在していて、周囲との接点も確実にある。しかし通じ合えそうで通じ合えない周囲の人々。自分から見れば、みんな理不尽に映る。
ようやく見つけた心が通える存在、漢詩のヨンジ先生(なでしこジャパンの沢穂希に似ている)。ウニにとって大切な存在になるが、これまた理不尽な別れが訪れる。寄りどころの無い人生、ちょっと将来どうなってしまうのか心配ではあるが、決定的に不遇というわけでもない、ウニ以外でも誰にでもあり得る人生。

「先生、私の人生はいつか輝くでしょうか」

「知っている人の中で、本心まで知っているのは何人?(相识满天下,知心能几人)」

「私は間違ってないし、性格も悪くない」

ウニ(パク・ジフ)の角の無い丸っこい顔、優しい整った顔が、非の打ち所が無い。この見た目が観衆を引き込んでいる要因のひとつでもある。
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