午前0時の映画会

はちどりの午前0時の映画会のネタバレレビュー・内容・結末

はちどり(2018年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

母の愛情不足、父の浮気、兄からの虐待、姉は不良、家庭不和のオンパレード。学校では劣等生のはみ出し者、初恋と裏切り、友情と裏切り、同性愛と裏切り、叔父の自死、自身の病気、尊敬する先生の事故死…と1人の少女にあまりに立て続けに事件が起こりすぎる。ロベール・ブレッソン『少女ムシェット』のオマージュなのか。トランポリンのシーンの無邪気さなどがムシェットを彷彿とさせる。
この本でも演出次第ではもっとどうにかなったと思うが、芸術作品として尖ってもなくエンタメにも振り切れていない中途半端な仕上がりで残念。
先生が良い女気取りの芝居で異質だった。この先生にあの主人公がいきなりベッタリ懐くのはどうにも納得できない。この演出失敗は大きい。崩落事故を活かすなら、先生とはあんなにベタな関係ではなくほんのり憧れてるくらいのほうが、失っても悲しむことも怒ることもできない主人公のやり場ない宙ぶらりんな浮遊感、無常感が効いたのでは。
ラストカットの主人公の少女の目の動きだけは良かった。このラストカットありきで撮ったのだろう。しかしそれ以外の全てがあまりに凡庸だった。

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