稀

はちどりの稀のレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
3.0
1994年の14歳の女子中学生ウニが等身大に描かれていた。家族、恋人、友達との関係がリアルでドキュメンタリーのようなリアルさがあった。反面、前半の日常は淡々としており、雰囲気はいいけど退屈だった。
漢文塾のヨンジ先生が現れてからはストーリーが明確になり、ウニのやるせなさと、理解してくれる人がいることのありがたさが伝わってきた。ただし先生との交流は薄味で、漫画が共通の趣味でありながら、家の本棚から全集の小説を貸し出す意味がわからなかった。自分が読んでいない本を人に勧めるなし。ある意味、中学生っぽい行動とも言えるけれど。
ラストは史実に絡めたつもりかもしれないけど、物語としては唐突だったし、手紙でも先生は何も明かしてくれなかったので、本当に心の交流があったのか疑わしくなってきた。音楽と映像はとても良かった。
稀