ツァラトゥストラはさくっと語る

はちどりのツァラトゥストラはさくっと語るのネタバレレビュー・内容・結末

はちどり(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

はちどりは本来とても小さい。
大きくても5cmくらい。
それでも1分に約90回も
羽ばたきをする子もいるほど、
よく働く活発な鳥だそう。


主人公の女子中学生14歳ウニ。
家にいても学校へ行っても、
空を見上げても、例え今日一日
友達と楽しいひと時を過ごせたとしても。
何だかいつも心に歪みを感じ、
窮屈鬱屈した日々を過ごす…。
それは彼女が成長期だから。
そんな一言では済まされない
感情が心に蘇る。

両親も兄姉も学校も世間も
バタバタバタバタ何かしら、
騒々しく忙しない、息苦しい。
その変化が当たり前すぎて
流され何となくぼぉっと虚しい。

住み慣れた見飽きた空間、
無駄に眩しい光、
少し肌寒い日陰。
映像から溢れ出る見事な心理描写。


14歳だったあの時、
とにかくあっという間に
すぎていく中にほんの少しの
息抜きと出会いと喜びを感じた日が
静かに永く心に住み着いている。


ヨンジ先生の言葉、
「世の中には
理解できないこと
だらけだけれども、
良い出来事があるから
悪い出来事も起きて、
そんな過程を繰り返しながら
そうしてまた(生き返っていく)
生きていくんでしょう…」