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はちどりのCUのレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
4.5
舞台は1994年の韓国。家庭にも学校にも居場所がない中学2年生の少女ウニだが、漢文塾の新しい先生との出会いが彼女の心を大きく動かしてゆく。

1994年と言えば自分も高校生で、正にウニと似たような孤独を抱えながら、不条理に首を傾げている年頃だった。

映画を観ながら、その当時、自分が直面した不条理が今も何一つ解決されていない現実を考えていた。私はただただ歳を食っただけだった。不条理なんて無いような顔をして、見て見ぬ振りをして、やり過ごしてきただけだった。

ウニは先生への手形に「私の人生にも輝く時がくるのでしょうか」と書いた。

彼女が大きくなって、当時感じていた不条理が少しでもなくなって、人生が輝いていると良いと思う。

映画館を出てからも、全く涙が止まらなかった。泣きながら歩いていた自分は変人だった。個人こそが時代だ。凄い映画だった。
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