たいてぃー

はちどりのたいてぃーのレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
3.8
1994年の韓国、女子中学生ウニが主人公。取り立ててキツい表現はないが、結構刺さる。家父長制でのありがちな行為、親友の裏切り、下級生の冷めた態度、ボーイフレンドの母親の陰険さなど。そして、ユニの母親がちょっと不思議。ユニが呼びかけても気づかない、夫との喧嘩で爆発したのに、次の日には仲良くテレビを見ている。この母親像、気になる、もう一度見て確認したくなった。あと、ユニの学校の教師の「カラオケの代わりにソウル大学」が強烈。まあ、色々と詰め込んでる。
ウニ役にパク・ジフ。抑揚は抑え気味で、淡々と演じている。だけど、堪え切れず親友やら父親に当たり散らすこともあって。こんな面を出してくれると、観ていて安堵する。この演技には好感が持てる。
このウニを親身になって接する漢文塾の女性教師ヨンジ。この役に、キム・セビョク。この役者が、持ってちゃってるんだよね。何らかの過去を持っていて厭世的な雰囲気。ウニにアドバイスする言葉がホント滲み入る。
この二人を結びつけるのに指が使われる🖐。指切りのシーンがあるけど、ちょっと日本のと違ってた。これは韓国流なのかな。指ひとつひとつに想いを込めるってのもあって。それと、ヨンジがウニと親友の前で歌ったのが「切れた指」ってタイトルの歌。拘りが感じられる。
ウニは漫画家を目指してるんだけど、決して上手とは言えない。個性的ってこと、それとも今後の伸び代があるってことかな。
まあまあ難解なとこはあったけど、後からいろいろと思いを巡らされるってのは、いい映画って証かな。でも、いろいろと詰め込み過ぎなんでは?って感も強いんだけど・・・