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ブラック・ウィドウのca324のレビュー・感想・評価

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)
3.5
待ちに待ったアベンジャーズ紅一点ブラック・ウィドウ単独メイン映画。歴史ある街並みの中のカーチェイスはスパイ映画らしく、狭い普通の家屋内やヘリを使ったアクションシーン等、ビジュアル面は派手で見応えあり(その反面、セットとCGだけになる最終戦はちょっと見劣りする)。変に恋愛関係にある人物を置かず彼女の内面や過去の掘り下げを新キャラクターたちとの疑似家族関係で描いたのも好感が持てました。シスターフッドアピールはちょっと露骨でIWの女性キャラ集合戦みたいな「入れておけばいいんだろ」感を感じてしまったけれど。
少し物足りなかったのはヴィランの特徴が薄いことで、ブラック・ウィドウと言えば自分勝手で大人げない奴ばかりのアベンジャーズの中でコミュニケーション能力に優れ、会話の中で重要情報をするっと相手に喋らせる力がある人なので、その特徴をもっと生かすようにヴィランももっと弁が立つというか、古畑任三郎「喋りすぎた男」の明石家さんまさんみたいなタイプだったらぎゃふんと言わせた時のカタルシスがより大きかったんじゃないかな。それとタスクマスターにもああいう設定を付与してしまったのはどうなのかな…EGでのナターシャの悲しい選択に裏付けを与えてしまったようで辛い。
ナターシャの家族にあたる新キャストたちはさすがに皆素晴らしく、特に妹のエレーナを演じたフローレンス・ピューは華やかな世界的ヒーローである姉へのシニカル目線を持ちつつ初めての自由にはしゃぐ子供っぽさもあり、タフで魅力的なネクストヒロイン像をしっかりと作り上げていましたが、やっぱりこのままナターシャが退場なのは悲しすぎるし、なんだか彼女だったらヴォーミアに行ってレッドスカル脅しつけてどうにかこうにか姉を取り戻せるのでは?と思えて仕方ない。
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