仮面の大使

8番目の男の仮面の大使のレビュー・感想・評価

8番目の男(2018年製作の映画)
3.9
 真実を見極める映画。

 国民が参加する裁判が初めて開かれる日。国民やマスコミの注目が集まる中、8名の一般人が陪審員団に選定される。大韓民国初の陪審員になった彼らが担当する事件は、証拠・証言・自白まで揃った明白な殺人事件のはずだったのだが…。

 2008年に韓国で導入された国民参与裁判の最初の裁判を描いた作品。実話に基づいた作品だけど、シリアス一辺倒ではなく、コメディが交わっており、テンポも良かったので楽しめました。

 話の鍵を握るのは、パク・ヒョンシク演じる8番目の男。優柔不断ぶりが目に付く男ですが、大勢の意見に飲まれることなく、自分が納得するまで徹底的に調べる姿はとてもかっこよかったです。もし、自分が裁判員に選ばれたとして、彼みたいに大勢の意見に流されることなく、真実を掴もうと努力できるのか?正直自信がありません。他の方の意見に同調してしまう可能性のほうが高いと思う。

 心に留めて置きたいのは、人の人生がかかった裁判を結論ありきで進めてはならないということ。疑問点があるのにそれを無視するのはダメ。その疑問点を解消して、できるだけ真実に近い可能性を導き出すのが裁判において大切なんじゃないかと思った。

 8番目の男の事業が上手く行ったのかが気になるところ。
 
 
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