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ブルーノート・レコード ジャズを超えてのtanayukiのレビュー・感想・評価

4.5
プロデューサーのアルフレッド・ライオンとジャケ写のフランシス・ウルフが共同創業者。サウンドエンジニアのルディ・ヴァン・ゲルダー、ジャケットデザインのリード・マイルス。それにARマンのアイク・ケベックが果たした役割を再認識。

ルー・ドナルドソンが出てきたときは思わず「おおっ」と声が出た。フランシス・ウルフの写真はマイケル・カスクーナが所有権を持ってるんだね。背景が真っ黒のモノクロ写真がクールなことこの上なし。ジャケ写の元写真からジャケットを再現する編集がにくい。イングルウッドのヴァン・ゲルダー・スタジオも見れて幸せ。

クリフォード・ブラウンとルー・ドナルドソンが参加したアート・ブレイキーの伝説のバードランドセッションは、ブルーノートオールスターズ名義となるはずが、ブレイキーが司会のピー・ウィー・マーケットに2ドル握らせて、ブレイキーのバンドだと紹介させたというエピソードをルー本人が語っていて笑ったw

ブレイキー大学に作曲家ウェイン・ショーター。マイルス・デイヴィス・クインテットの「フットプリンツ」のライブ映像が見れて感激。フットプリンツはうちの屋号です。

バド・パウエルのブルーノート作品が傑作揃いの理由を聞かれたアルフレッド・ライオン
「理由があるなら、バドと私はとても仲が良かった。彼のやり方がわかっている。アーティストを理解しないとね。何かを本当に引き出すには」

即興演奏について。
ウェイン・ショーター「勇気を持ち恐れないこと。勇気は傷つくからチャレンジなんだ。勇気を奮うこと自体がチャレンジだ」
ハービー・ハンコック「きついよね」
ウェイン「そうさ。けれど勇気を持ってチャレンジをするほど不確実なものが味方になっていく」

ハービー「マイルスの振る舞い自体が教師だった。あるとき、64〜65年のこと。その晩はすべてがうまくいって私たちの演奏から音楽があふれピークに向かっていた。そしてマイルスのソロ、しかも見せ場で私は見当違いのコードを弾いた。ひどい間違いだった。すべてが台無しだと思ったね。するとマイルスはひと息入れ、いくつか音を吹いた。そして私のコードうぃ正当化した。いったいどうやって? 私は土下座する思いだった。私は誤りを裁いたのに、マイルスはそうじゃない。音楽の一部として聴き入れたんだ。おお、これは新しいと言って。そしてうまく取り込んだ。こんなふうにわたしは教えられた。音楽を維持するばかりか、活用することを。裁かないココロは重要な美徳だ。さまざまな形で価値を生み出していくうえで。マイルス・デイヴィスの人生から学んだレッスンだ」

△2020/05/14 Apple TV登録。スコア4.5
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