風来坊

エル・チカーノ レジェンド・オブ・ストリート・ヒーローの風来坊のレビュー・感想・評価

3.5
自らの手で悪に裁きを下しゲットーの死神と恐れられる"エル・チカーノ"を弟達と共に目撃した少年は刑事となり、犯罪組織"ショットガン"の一味が殺された事件を担当する事になる。しかし事件の背後には彼の弟の存在が見え隠れして…。アメリカ製のB級ダークヒーローアクション。

アメリカ映画でありながら主要登場人物がヒスパニック系という異色作。
主人公の相棒のマルティネス役を演じた俳優さんどこかでと思ったら、「アドレナリン」のリッキー役で異彩を放ったホセ・パブロ・カンティージョさんでした。スキンヘッドじゃないから分かりませんでした(笑)

導入はダークな雰囲気でかなり惹かれました。そこからも弟の影を追うミステリーぽい展開で個人的には好きでした。
後半から急にダークヒーロー的な展開になりますが、立ち上がる理由に熱い物を感じずなんか乗りきれないですね。

他の方が仰る通りで回りくどく前半は退屈に思う方が大多数だと思います。
脚本は「特攻野郎Aチーム」など話題作の監督や「デスウィッシュ」の脚本などを担当をしているジョー・カーナハンさんだけに終始にハードでシリアスな展開と男臭さ溢れるお話は流石といった感じ。

主人公の母親がちょっとバカ親で萎えます。手の掛かる方が可愛いって事?
弟の事やあの時のは誰かなど謎の説明や伏線の回収もなく説明が足りないのは残念。
もっと子供時代の頃の関係性を描いていればもっと物語に厚みが出たと思いますね。

派手さはないけど重みがあるようなアクションシーンは臨場感があり良い感じ。特に銃撃戦はなかなかの迫力。
ありがちですがどしゃ降りの中での闘いも迫力が増してテンションが上がります。

すこぶる評価が悪いですが、「パニッシャー」みたいなダークな雰囲気で私は好きなタイプの作品。
やはり前置きの長さと、ダークヒーローとしてのロマンと因縁と背景に欠けるのが低評価の原因かなと思います。

続編に含みを持たせていますが、ここでの評価は散々ですし本国での評判もイマイチだったようなので厳しいかなと思います。
とはいえ個人的にはまあまあ楽しめた作品でした。

まとめの一言
「継承」
風来坊

風来坊