ツッコミ無き、ボケ合戦。
監督自身がしゃべらない観察者として登場し、パレスチナ・パリ・ニューヨーク を同一の眼差しで描く。
途中、ブレグジトという人物を探している日本人に出会うシーンがある。しかし、スレイマンに伝わらない。
英国の欧州連合離脱「ブレグジット」を人の名前と勘違いしている。
世界情勢にうとい、日本人への皮肉か?
シュールな絵と皮肉の連続。
イライラしてしまったり、感情を露わにしてしまいがちなシーンでも徹底的にスレイマンは感情を見せない。
まさに禅僧の境地。
無我。
ただ流れゆく今その時一瞬に集中している。
世界がパレスチナ化している(警察・公権力の増大)と語る監督が取れる手段は、寛容と忍耐といったところか?
ゲイの男が電車を降りたと思わせて、発車ベルギリギリにまた乗り込んでくるシーン好き。
今日も地球のどこかで人間の動きがリズムを刻む。