映画監督スレイマンのフィルターを通して見た世界が描かれる。
オープニングから不思議すぎる。
なんじゃぁこの映画は……となる。
そしてスレイマンの故郷のパレスチナのナザレ、パリ、ニューヨークと場面が変わる。
どこでも誰もがシュールで不思議。
スレイマンのひょうひょうとした表情がクスッと笑える。
言葉でなく、映像自体が社会風刺になっている。
映像も美しい。
現代アートばりの構図と色彩。
スレイマンは、イスラエル国籍のパレスチナ人のキリスト教徒だと。
出身地のナザレはキリストが育った町でもある。
もうこれだけで興味津々。
スレイマンはほとんど言葉を発しない。
気がついたのは、タクシーで出身地を聞かれた時だけだった( 他は思い出せない)
パレスチナ人のお客を乗せたのは初めてだと、はしゃぐ運転手が可笑しいが、それもこの映画の皮肉の一部か。
この映画の意図が分かってくると、冒頭になんじゃこりゃぁと思ったシーンも究極の皮肉だと気が付く。
なんとも美しくお洒落なシニカルなコメディたけど、物語性がないのので、意識が遠のくこともありますw