NaitoMami

燃ゆる女の肖像のNaitoMamiのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
5.0
いや、痺れました。はじまり方から(あんなにうまい「白」の使い方ってあります!?!?)、ぐんぐん緊張と感情を昂らせてからのあの終わり方まで、まさに徹頭徹尾、痺れっぱなしでした。
なんというカッコよさ、なんという洗練、なんという知性。
ほんとうにどの瞬間の映像も美しいというのは、映画界における偉業ではないでしょうか?

今のトレンド的な視点だと、いわゆるLGBTQ作品として語られるのかもしれないけれど、オルフェの神話をモチーフに持ってくるところにも監督のセンスというか知性を感じる。同性同士だからどうということではなく、愛し合っているのに永遠に別れなければならないことがある。その不条理をどう受けとめて、どう生きていくのか。

カンヌで脚本賞はもちろん納得だけど、これってパルムドールじゃない?これが獲らなくて、どの作品がパルムドール獲ったの???と調べたら、この年のパルムドールは『パラサイト』でした…そうかーーーそれなら仕方ないかなとも思うけど、私が審査員長なら(誰)こちらを推します!
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