ImamuraKaori

燃ゆる女の肖像のImamuraKaoriのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
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観てからしばらく消化に時間がかかってしまっていた。ストーリー、ストラクチャー、パフォーマンスももちろんだけど、ただただどの画をとっても素晴らしいに尽きる。最後は映画史に残るラストショット、と躊躇わず月並みな表現を。ビッグスクリーンで観られてよかったあ!

観察するという行為がもつ本質的なエロティシズム、また視線のパワーバランスが変化する様の描写はお見事。神話の絡め方、男性をほぼ描かないことで反対に男性的社会の暴力性が強調されている点も面白い。衣装の色が持つ意味もちゃんと注目してよねと言わんばかりの。
幸せとは。は〜distance(あるいはlack)=desireであるというパラドキシカルな人間の性に、私も常々悩まされるのである。振り返ることで今を永遠にするのだ。
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