どこを切り取っても美しい映画でした。18世紀フランス、孤島の屋敷にお嬢様の肖像画を描きにきた女性画家のお話。
視覚的にすごくきれいで、舞台の範囲は狭いのにずっと飽きずに、美術品を眺める気持ちで観られました。
フードを被ったエロイーズが、海まで駆けて行って振り向くシーンが好き。
オルフェウスの神話から、「振り向く」ことに大きな意味がある映画だけど、
亡くなった妻を黄泉の国から連れ戻そうとするギリシャ神話は、イザナギとイザナミの日本神話に酷似してて、不思議だなぁと思います。
女性が生きづらかった時代に、まして女性同士の恋愛が難しかった時代に、互いへの気持ちを隠して現実を生きていかなければならないのが辛いなぁと思いました。
ソフィーとマリアンヌとエロイーズで、ずっと楽しく過ごせたらいいのに。
マリアンヌが教えてくれた、ヴィヴァルディの四季・夏が流れる長回しのラストシーンが印象的。