フランスの時代もの。
主人公の女性画家が、雇われて孤島に出向き、
お屋敷に住むお嬢の肖像画を描くという話。
屋敷は海にほど近く、東尋坊のような崖がありつつ、
広い砂浜もあるというちょっと不思議な地形。
シーンの大半が屋敷の中で、母娘+下女と女画家の4人の女が主要人物で、
男はほとんど登場しない。
石造りの屋敷の閉ざされた空間の中での出来事が続く中、
きまぐれにも暴風吹きすさぶ海辺に向かっては、また戻るというような具合で、
流れる時間をゆったりじっくり描写するという作品。
落ち着いたいい作品だとは思うのですが、
エンターテインメントとして面白いかというと、
うーんとなってしまいますね。
まったく予備知識なしに見たので、展開自体は驚けましたが、
共感や特別な感情が湧き起こらないままに終わってしまった感じです。
落ち着いた作品なので枯れた巨匠の作品かなと思いつつ、
後で調べると監督は女性でした。
本作の屋敷のお嬢役と別れたばかりとのこと。
そういうクリエーターの個人的な情報を事前に知らなかったのは、
作品を鑑賞するうえで、よかったかなと思います。