ぶどう

燃ゆる女の肖像のぶどうのネタバレレビュー・内容・結末

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

感想あとで 6/2

感想〜6/4
これは映画館で見るべきだった。どのシーンも美しくて、構図は緻密に計算されてるんじゃないかなあ。
もちろん、見どころは美しい映像だけではない。ストーリーの根幹になる、女性同士の報われない恋愛。あんなに好きあっているのに別れなければならなかった事が悲しくて貰い泣きしてしまった。
私個人は異性が恋愛対象な事もあり、今まで観た女性同士の恋愛ものって正直あまり、、、だったが、本作はとてもすんなり入り込めた。おそらく、全編通してどこかドライな空気感だからかな。悲しい話だけど、この女性2人とも精神的にとても自立している。だから、好き同士だけどお互いがどちらかに寄りかかるとか縋り付くとか湿っぽくならない。また、女性同士の恋愛に悲劇性を持たせていないところもいい。

大筋の恋愛の流れの下に、実は隠れたテーマもあるかな?ホモソーシャルへのアンチテーゼという。作品内で強く主張しているわけではないので、あくまで個人的にそう感じたのですが。それは、使用人の女性の存在で更に強く感じた。
お嬢様が料理をする横でワインを飲む雇われ画家と刺繍をしている使用人。このシーンを見られただけでも、本作を観て良かったと思えた。男性への気遣いも、立場の上下も序列もない穏やかで公平な夢の様な世界。

ここから3世紀も経っているのにね。いまだに男尊女卑は朽ちないし、特に日本では、女は男に過剰に気を遣っているんだよね。

最後個人的なグチになっちゃったけど、とにかくすばらしい映画で、観て心からよかったとおもえた。傑作。
ぶどう

ぶどう