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燃ゆる女の肖像のsiのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
3.5
自分が写真をやっている人間だからなのか、被写体となる人間を撮ろうと思う時それを見つめる視線の中に複雑な好意のようなものが混じる時がある。
相手を美しく写そうと思えば思うほど、相手に好意がなければ難しくなる。
モデルとなる人間の中身を知らなければ相手に好意も抱けないし、そうしなければ映し出せないものがあるみたいだ。

だからこそ写真より長くモデルと向き合う画家というのは、その人間に対してどういう感情を抱いていたのかを想像してしまう。
この映画は最初からそのモデルと画家の視線がテーマになっていると思う。
知り合った頃のぎこちなさ、見つめ合っているようですれ違っている視線
それが段々と心を通じて視線を交わしているのを上手く映画の中で描いている
面白いのは最後のシーンで、最後は2人の視線が合っていないにも関わらず心は繋がっているのを感じる
我々はこういうの大好きじゃないですか

私はこれを見て女性による女性のための女性の映画という印象を受けてしまったが、それは作り手の思うところとは違うかもしれない
でもあまりにも男性というものがどうやら存在はしているようだが、話には全く入ってこずこの世界から外れているのを感じて少しおかしかった。こういうのも悪くはない。
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