みる

燃ゆる女の肖像のみるのネタバレレビュー・内容・結末

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

上手く言葉に出来ないけれど、フランス語が映画の雰囲気にとてもあっていました。フランス語の、粒がはっきりしているけど、流れるように唇から落ちていくところが、まるで小粒の宝石を手のひらからパラパラこぼしているみたいで素敵でした。

選べる人には分かりません、と言われて、分かります、とだけ答えた主人公の人柄がだいすきです。とても冷静な写真集を見ているかのようなシンプルなカメラワークと、登場する女性たちの、凛とした美しさに魅力を感じました。二人の関係の、柔らかで、まっすぐで、でもどこか雄々しい関係が愛しい。

台所に男性が現れたことで、もうこの時間は終わりなのだ、と気付かされました。2人にはそれぞれやるべき事、いるべき場所があって、離れてしまうけれど、それでも、2人はいつまでも、ちゃんと見つめ合うことができるのだと思います。

マリアンヌは去り際、エロイーズの声に思わず振り返ろうとする。そしてまた、オルフェイスも振り返った。そこが良かったです。「妻の方が誘惑したのかも」

最後のシーン、続きはミラノで、の曲と、泣きながら、笑いながら、絶対にこちらを見ないエロイーズが切なかったです。
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