静かに燃える
2019年 フランス作品
18世紀末の女性画家と
伯爵夫人となる運命の女性の物語
一場面一場面が絵画のようで美しい
絵のフレームのような
美しい構図
絵を描くときのように
研ぎ澄まされる観察眼
ロウソクの灯
暖炉の火
焚き木の炎
いろんな燃え方に
マリアンヌの心情が重なる
海辺のシーン
激しく打つ波
激しく吹く風
切り立つ岩
水平線の彼方
籠の中の鳥のような
エロイーズの心情が重なる
各々の心情
二人の関係性の変化
共に変わってゆく肖像画の印象
少ないセリフ
繰り返される「Oui」に
微妙なニュアンスの違いを感じ
数少ない「Non」に
明確な意思を感じる
全般に控えめな音楽は
中盤と最後のシーンで
観る者を圧倒する
永遠のモチーフ
エロイーズがマリアンヌへ
自らをそう表現したように
将来、この映画自体がそうなるのかもしれない