吉良吉影

燃ゆる女の肖像の吉良吉影のレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
3.9
あまりにも静寂な映画。以前は寝落をしてしまったため、再リベンジ。

18世紀のフランス、ブルターニュの孤島。結婚前の娘に肖像画を描く依頼を受けるマリアンヌは、貴族の娘エロイーズに想いを抱く。しかし、マリアンヌはエロイーズへの視線を拒むことで思ったような絵が描けずに苦戦する。結果、二人の距離が密接になることで絵を描き上げることができたが、当時タブーとされていた同性愛的な愛情に目覚める。

作品には男性が一切でていないため、「メイルゲイズ」のような女性が消費されるような扱いはない。作品中、彼女達が俗世を離れたいわば魔女であることを暗示させる。焚き火の中での謎のコーラスは「エナジーライジング」という現代魔女儀式の一場面らしい。

エロイーズと娘が映る肖像画。男性を選んだ彼女は本心を隠して時代を生きていく、悲しみの表情を浮かべるラストショットのように思えた。

燃ゆる女って本当に燃えてた。
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