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名もなき生涯のchanmasuのネタバレレビュー・内容・結末

名もなき生涯(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

テレンス・マリックが実話を基にして反戦映画。近作とは違い一本のストーリーラインがありここにきて新境地。撮影がルベツキでは無いのでどことなく控えめだが、コレで正解。コレは名もなき人の話なのだから。眩しい太陽が画面から降り注ぐ。キリストの光であり、ラストはコレに導かれて信念を彼は真っ当する。悪行に加担したく無い主人公はキリストに喩えられる。殺すくらいなら殺された方がマシだ、と。段々排外主義に染まっていく村人が不気味。非協力的だと言われ村八分に。自分はあの様な選択ができるだろうか。自分など、虐殺された人々に比べればどうてことないと。自分は正義感強めなので彼の行動には非常に心打たれて背筋が伸びる思い。周りの目を気にせず、間違っている過ちには間違っていると言えたらいいな。日本はただでさえデカいムラみたいなもんなので。最後のジョージ・エリオットの引用が胸を打つ。

歴史に残らない行為が世の中の善を作っていく。名もなき生涯を送り、今は訪れる人もない墓にて眠る人のおかげで物事がさほど悪くならないのだ。

歴史を変えていったのは1人の偉大な人物ではなく、名もなき人たちの抵抗があったのだと思わされる。
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