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名もなき生涯のjamのネタバレレビュー・内容・結末

名もなき生涯(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

こんな戦争は間違いだ
罪なき人は殺せない

時が経ち、歴史を振り返り、
何が間違いで何が正しいのかを判断すれば
フランツが頑なに主張したことは
当たり前のことだとわかる

けれども
その時代、その土地で
フランツを肯定して支持することは、死を意味すること

例えそれが、永遠の別れになるとわかっていても
自分が愛して、信じた人の希望を叶えること
それが
ファニの選んだ道

あなたが何をしようと
どんな結果になろうと
あなたと共にいる


互いを信じ合う二人
穏やかな山間で
陽の光を浴びながら、土を耕し
泥だらけの手で互いを確かめるように抱き合う


静かに、川の流れのように
丹念に丁寧に描かれたフランツとファニの物語

決して信念を曲げない
不器用な、そんな人だからこそ愛したのだと
ファニの強い瞳が語り

フランツは戻らないけれど
畑を作り、果物を作り
土を耕し続ける

また会いましょう

私たちが生きる意味、その重さをじっと考える
jam

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