スポーツに国境なしとはいうが、本当は何にでも国境はないはずなのだ。
さまざまな逆境と困難を超えて、イギリスの英雄になったゴールキーパーの話。
戦争で殺し合ったのはお互い様なのに、元捕虜だということでブーイングされる。味方でたくさんの敵を殺したのはどうなのか。
兵士としての「義務を果たした」とか「選択できなかった」という主人公の言葉は、戦争の実態を突いている。
サッカーというスポーツを通して、イギリスとドイツの架け橋にもなり、友好の証になった実在のトラウトマンは、やはり英雄だ。
そして、これが両国の合作であるということもすばらしい。
日米で、自国第一主義や民族主義が強くなってきた現代に、訴えるものがある映画だ。