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レ・ミゼラブルのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
4.0
レ・ミゼラブル
「ガキどもの逆襲」

これまで幾度となくミュージカルや映画化されたヴィクトル・ユゴーの小説「レ・ミゼラブル」だが、今までとはジャンルも作風も何もかも違う、現代社会が抱えている闇をリアルに描いたドラマになっている。現在は犯罪多発地区の一部となっているパリ郊外のモンフェルメイユを舞台に、現代社会が抱えている闇をリアルに描いたドラマ。犯罪多発地区の一部となっているパリ郊外のモンフェルメイユが舞台。自身が出身で現在もその地に暮らすラジ・リの初長編監督作品。

まずこのタイトルを持ってくること自体良い意味でタイトル詐欺だわ。中身はとんでもない社会の闇を描いていて、人種差別や職業差別などあらゆる人間の闇が衝突する。正直この映画に出ている奴で良い奴なんて主人公ぐらいじゃないか。

どうにも終盤まで子供に感情移入してしまったが、普通に考えてライオンの子供を盗んだところから始まってるからなコレ。終盤の流れもカタルシスがあるような感じで見てたけど、お前らが元凶だってことを振り返って改めて思う。

警官も警官で俺が法律だとかぬかして王様気取りだし、嫌悪感催すぐらいだわ。何より自分らの事故を揉み消そうとしてるのがヤバい。

ラストの終わり方が賛否両論あるし何の解決にもなってないのでモヤモヤ感が残るが、これは敢えてだと思うし、国は違えどどこにもありそうな問題で、色々と考えさせられる映画だった。見終えた後ドッと疲れが出るタイプの作品だが、オススメ。