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レ・ミゼラブルのクリームのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
4.1
フランスの移民、多人種、多宗教が混在し、住民も警察も己の身は己で守らなければ生きて行けない無法地帯。映画の中の話だけど、実在する地区なので、あり得そうで怖かったです。余韻を残す終わり方も好みでした。面白かったです。

2018年。犯罪多発地区モンフェルメイユで、犯罪防止班に配属されたステファンは、クリスとグワダと共にパトロール中、ある少年が、サーカスの子ライオンを盗んだ事件が勃発。地区を牛耳る大人達も巻き込み、犯人の少年を探すのだが…。



ネタバレ↓



子ライオンを盗んだ少年イッサを追い詰めた3人だが回りの少年達からの攻撃や本人の抵抗で手こずり、グワダはイッサにゴム弾を撃ってしまった。
バズと言う少年のドローンは、その一部始終を撮っていた。ドローンに気付いたクリスは救急車を呼ぼうとするステファンを制止し、先にドローンを回収すると言う。
顔面を負傷し気を失ったイッサを車に乗せハイエナと言う男の元へ行き、ドローンを探すよう依頼。そしてイッサをアジトへ預けた。
子供達は、市長という男にイッサが警察からゴム弾で撃たれた場面をバズのドローンが全て撮っていた報告した。
バズは、SDカードを持ってサラーの店へと逃げ込んだ。
バズを追う全員がサラーの店へ。
ステファンは、イッサの安全を保障すると約束し、サラーからSDカードを受け取った。
クリス達は、子ライオンと共にサーカスへ行きイッサに謝罪させた。
クリスは、イッサに傷は転んで出来たと周囲に言えと脅し、帰します。
翌日、3人がパトロールへ出るとイッサと仲間達の復讐が始まります。3人はロケット花火での襲撃され、彼等が逃げ込んだアパートへ突入します。待ち伏せしていた大勢の子供達に上階と下階の両方から追撃され逃げ場を失います。
市長も彼等に袋叩きにされ、クリスは投げられた火炎瓶で目を負傷し、騒ぎを止めに来たハイエナも滅多打ちに。
ラストは、火炎瓶を投げようとするイッサとそれを止める為、銃を向けるステファンと言うシーンで終わります。

モンフィルメイユは、実際に治安激悪地区で、フィクションでありながら生々しかったです。
アフリカ系移民や麻薬ディーラー、イスラム教徒、ロマのサーカス団等が、一触即発の状態でひしめき合い、警官達も街に飲み込まれ、正義等存在しない最悪の地区。そんな街で育った子供達は、大人を見て育ち、冷徹な悪人に育って行く。自分達が作り上げた極悪子供軍団に復讐される大人達の姿は哀れだが、止められない子供達の暴走が恐ろしかった。
でもあの大人達を見たら凄く説得力がありました。あの後、イッサは火炎瓶を落とし、ステファンは発泡しただろうと思います。
まさに「レ·ミゼラブル(悲惨な人々)」と言うタイトルが、ピッタリだった。
怖面白かったです。

*TakayukiMonjiさん、ありがとうございました♪︎
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