Yellowman

家族を想うときのYellowmanのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
3.8
終始、ズシリと重い感情で、観ました。
この映画で描かれている事は、今の日本にも、とても当てはまる事柄が多く、格差社会、貧困。雇用問題。さらにこのコロナ禍で、自営業の方々で、苦しい思いをされてる方は、決して少なくありません。
この映画の舞台は、イギリスのある一家の話。

あらすじ
現代が抱えるさまざまな労働問題に直面しながら、それでも生きようとする家族の姿が描かれる。イギリス、ニューカッスルに暮らすターナー家。フランチャイズの宅配ドライバーとして独立した父のリッキーは、過酷な現場で時間に追われながらも念願であるマイホーム購入の夢をかなえるため懸命に働いている。そんな夫をサポートする妻のアビーもまた、パートタイムの介護福祉士として時間外まで1日中働いていた。家族の幸せのためを思っての仕事が、いつしか家族が一緒に顔を合わせる時間を奪い、高校生のセブと小学生のライザ・ジェーンは寂しさを募らせてゆく。そんな中、リッキーがある事件に巻き込まれてしまう。(映画comより引用)

ケン・ローチ監督が訴えたいテーマは、勿論、劣悪な労働環境で、働く人達が増えて来ているという事。その中で、リッキーが暴行を受け、病院の待合室で、リッキーの職場の上司からの電話の内容にアビーがキレて、リッキーの携帯を奪って、上司に文句を言うシーンや、アビーがバス停で、バスを待ちながら電話の応対してるシーンで、当事者の気持を代弁している。そして、この映画の家族のような貧困家族も増えているという事。
その中で、本来の家族の在り方というものはと、摩擦を起こす、夫婦、父と息子を題材に、それぞれ愛情は、ちゃんとあるが、ボタンの掛け違えで、上手く伝わらないもどかしさを描いている。ラストのリッキーが仕事に行こうとして、家族3人で車を止めにかかるシーンで、やっと救われるかなと思いきや、
次のラストシーンは仕事に向かうリッキー。
ケン・ローチ監督の本来、描きたい所で、しめるという、観た人にこの現状を良く考えてごらんという事なのかと。
  
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