おれは仕事に行かなきゃいけないんだ。
この背景にある父の感情は何だろう。父親としての責任か、お金の問題か、はたまた男としてのプライドだろか。恐らく様々な感情が複雑に絡み合っていて、家族が崩壊しかけた。
ケン・ローチ監督の作品は、初めて観ましたがこんなにシビアだとは思いませんでした。そして恐ろしいまでに社会派。今回のテーマは、個人事業主の罠でしょうか。働き方が多様になっている今、企業がそれを手玉にとる。事業主だから利益は全部あなたのもの、その代わりコスト、リスクは全部背負ってもらうからね。そんな罠が、今作を通してリアルに感じ取ることが出来ました。
私の中では、警察の人が息子に放った言葉が結構心に残った。将来を考えて、今できることをしよう。社会の構造を変えられるほどの力は中々持てないのだ。