このレビューはネタバレを含みます
フランチャイズ契約の宅配業者で働く主人公とその家族についての映画。主人公は真面目に働いているのに、働けば働くほど借金が増えていくという、ゼロ時間契約の不条理さがストレートに描かれていた。
序盤では仲良さそうにしていた家族が、徐々にお互いの不理解やスレ違いが生じて喧嘩していくのが、観ていてキツイ。ラストも問題が解決したわけじゃなく、観終わってしばらくこの映画のことしか考えられなくなってしまった。
原題の「Sorry We Missed you」はイギリスで宅配便の不在届に書かれている文字。家族間のすれ違いの意も含んだダブルミーニングで、かなり好きなタイトル。
「わたしは、ダニエル・ブレイク」もそうだがケン・ローチ監督の描く社会派映画は、現実的な問題として自分自身に刺さる部分が多い。俳優の演技が自然じゃなく、リアルな日常そのままを切り取っているようなのも好き。まだ全然観れてないが、他の作品も鑑賞していきたい。