さき姐

リトル・ジョーのさき姐のレビュー・感想・評価

リトル・ジョー(2019年製作の映画)
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なんとも気味の悪い映画だこと。
この話は、いったいなんのメタファーなの?
エンドロールではhappiness business♪なんていう嫌な歌詞の繰り返される歌が流れてくる…
ビジネスとして生み出された幸せ、というものがいかに人々を浸食していくか、その影響力を語っているのでしょうか。
にしてもビジネスによる幸せってたとえば何でしょう。たぶん山ほどあるんだろうけどぱっと思いつかない時点でわたしも幸せビジネスにどっぷり浸食されてるのかも…

監督インタビューによると、
幸せでいたい、という絶対的な願望は今日ではビジネスと結びついていて、実際現代の我々の社会はその幸せ願望に変なかたちで魅了されているんだ、とのこと。
つまりその幸せ願望につけ込んで儲けたがってるってこと(かと…)
さらに、リトルジョーを生み出した遺伝子組み換え技術について、
この手の科学(遺伝子組み換え技術)の一部は既に全体主義的で、今や科学はかつて宗教が果たしていた役割を担っている、つまり科学が全ての情報を握ってる、とのこと。
だから現代人は科学という指導者にどっぷり浸かりすぎということ(かと…)

幸せ願望✕金儲け欲✕科学的好奇心
このいかにも神さまが怒りそうな組み合わせによって出来た産物を可視化してみたのが、朱色の花からアレルギー性の胞子をばらまく不気味な植物、てことかしら?

気色悪いわ。
うしろに流れる雅楽と(なんで笑?)無菌状態くらい過度に清潔な画面の連続。
そんな無機質な世界の中に、意思を持った、ように思える植物。この植物に葉っぱがないのもなんかわからんけどまた気色悪い。

こういうヘンな映画は見たあといろいろ考えるけど、考えてると頭の中で笙の音が鳴り響いて、妙に神社に行きたくなってくる…
ヘンな映画だ…。

まあでもとにかくウィショーくん、こういう役めっちゃ似合うね♡
さき姐

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