ドラン作品の中で、一番シンプルで純粋な恋愛模様。ドランが「君の名前で僕を呼んで」にインスパイアされた作品。
ずっと幼馴染みのままでいたかった。
けれど、気づいてしまった恋心。
マティアスには婚約者がいる。マキシム(ドラン)は、もうすぐオーストラリアへ旅立つ。マティアス&マキシムの物語。
好きという想いを伝えてしまうと、互いの友情や周りの人たちとの関係まで崩れてしまうのではないかという恐れ。
大勢の友人たちといるほどに、離れていく2人の距離。
抑えることしかできない想いと、抑えることで苛立つ感情。
もう子供の頃のように、無邪気なままではいられない。そんな切なさと寂しさを美しい映像と音楽で紡いでいく。
繊細で濃縮された感情が渦巻くドランの世界。今回は恋愛感情を抑える表現がみごとです。
「マイ・マザー」の母役だったアンヌ・ドルヴァルが、ノーメイクで別人のような老けた様子で出てきて驚いた。女優ってすごいです。
顔に痣(あざ)のある役も、ドランだと素敵なタトゥーに見えてくる。
実際の友人たちが出演しているそうです。