うりた

マティアス&マキシムのうりたのネタバレレビュー・内容・結末

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

CMBYNに感化されて制作した作品とのことだけど、あちらに比べたらだいぶ救いのあるラストでよかった。
…いや。どうだろう。逆にここからが生き地獄ルートもあるぞ??(バドエン厨)

グザヴィエ・ドラン監督お得意の繊細な心情描写。
本人も相当普段から気を張って生きてないと世界をこういう風には撮れないと思う。
顔のあざをじろじろと見られている(気がする)些細なシーンの一つ一つからも登場人物の生い立ちや境遇が読み取れる。とても丁寧な仕事。

どちらかというとマティアスは心の中の葛藤、マキシムは現実世界との葛藤を描いているように思った。
なので自然とマティアスに感情移入していたのだけれど、マティアスの片想いかと思ったら…
つまり高校時代のキスから2人は意識してたってことだよね??
キスシーン撮影時の仲間の会話や、ラストシーンの二人を見守る友人を見るに、本人たちより周りの方が先に二人の想いに気付いてたのかな?という気もする。

3週間前に推薦状が届いてたのにマックスに渡していなかった事がわかった時の、怒りじゃなくて嬉しさがこみあげてくるあのシーンの愛おしさよ。
木漏れ日の差す空っぽの部屋で、ソファーとカーテンの間から時折見えるその表情に胸がぎゅーっと締め付けられた。

とっても良いものを見せてもらいました。ありがとう、ありがとう…
うりた

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