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マティアス&マキシムのデイのレビュー・感想・評価

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
4.8
今作は、なんとも、ドランらしい、ドラン節炸裂の映画でした。

男友達5人組。
みんなでワチャワチャ。

小さな頃から幼馴染として育ち、母親同士も仲が良い。

みんな中流家庭か、それ以上。

でも、マキシム(マックス(ドラン))の家だけは、ママがジャンキーで引きこもり。
そして、ママの愛情はマキシムの弟に注がれている事が分かる。

ドラン映画って、やっぱり母親との確執と言うのは外せないようですね。

その家庭から逃げたくて?マキシムはオーストラリア留学を決意。
2年のつもりだけれど、母親の財産等を伯母に全て託す事から、
戻らないつもりでいるのが分かる。

そして、
なんと言ってもマッティアス(マット(ガブリエル・ダルメイダ・フランシス))の心の揺れ具合。
演技がとても上手でした。

マキシムに恋心を抱くも、戸惑い、認めたく無い自分、それでもマキシムに視線が行ってしまう。
時にイラ付き、どうしようも無い。

マキシムはマティアスの気持ちに気付いているのか、いないのか分からない。

そして、後半過ぎ辺りから、マキシムの気持ちが畳み掛けるように描かれている。

映像も音楽の入れ方もドランらしい。

道路の中央線を映していたり、窓から落ち葉が降って来るところとか
マティアスの会社のオフィスの床に置いてあったグリーンの鉢植えが🪴どかされていて、オフィスの床に砂や泥が散乱してるところとか…。
降り注ぐ雪とか…。

早送りだったり、スローだったり。
細かく言えば書き切れませんが。

そして、ピアノの音色。

観ていて、最初はマティアスに寄り添い、マティアスの気持ちを、観てる側の私が共有するのだけれど、
後半に進むにつれ、マキシムに寄り添う。

マキシムの顔に大きな痣があって、その意味も後々、利いて来る事になる。

友達5人。
嫌なヤツが出て来ないのも良かった。

幼馴染として、ずっと一緒に友達として、人生歩いて来たのに、
友情以上の気持ちが芽生えてしまう。
相手の気持ちは分からない。
しかも、男同士。

もう、なんとも もどかしくてもどかしかして、
何とかして!!って叫びたくなるほど。

7歳の時にマティアスが描いた絵を見つけたマキシムが涙するシーン。

ラストは観る側に委ねるかな?
余韻にずっと浸っていたい。

もどかしいけれど、切な過ぎて泣きました。


やはり、ドラン(監督)作品は、どれも好きですねー。

ドランも33歳になりましたか。
3年前の映画だから、30歳。

いつまでも少年のようで、笑ったり、泣いたりする時にクシャクシャってなる顔がたまらなく好き☆

そして、マティアス役のガブリエル・ダルメイダ・フレイタスが何とも素敵。
(ちょっとデヴ・パテル似)

PS: ママ達のお喋りも愛おしい。
フランス語でペラペラペラペラ〜。

マティアスとマキシムの友達同士の会話やら、会話劇の映画でもありました。
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