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マティアス&マキシムのTMKのネタバレレビュー・内容・結末

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

2人の心の機微だけでなく、周囲の人々の心情も含めて多くは語らずとも繊細な表現で綴られていき、見終わった後の余韻が凄く暫く涙が止まらなかった。

ストーリー展開は劇的なものがあるわけではなく、人によっては退屈かもしれない。
でも私はストーリーが中々展開していかない歯痒さも含めて胸に残った。
光や水など映像も美しいし、ホームビデオのような急にアップになるカメラワークなど、面白い部分もあった。

でも何よりマキシムを演じたグザヴィエドラン。彼の少年っぽさが、凄く良かった。
マティアスとマキシムの感情が解き放たれた時のマキシムの表情が、もう、、愛しさと戸惑いとぐちゃぐちゃになった複雑な心情が現れていて胸が締め付けられた。
終盤のマティアスが推薦状を送ってくれてなかった事を知った時の涙を堪えながらアドレスを伝えるシーン、そして最後爽やかな表情で現れたマティアスを見た時のマキシムの表情。結局どうなるかはわからない。けど家族との関係もありずっとしんどい事の連続で、気持ちに蓋をして我慢する事に慣れてしまっていたから、解放されてから本当辛かっただろうな、、というのが凄く伝わった。
キスシーン前のマキシムがマティアスを見る時の眼差しがもう、、

マティアスがマキシムを窓越しに見つめている時に思わず笑みが溢れる、目で追ってしまう、ちょっとした事が気になり思わずつっかかる、感情をコントロール出来ずあえて酷い事を言って傷つけてしまう、、自分の気持ちと正面から向き合えない、気付かないフリをする、、
ゲイかどうかはあまり気にならず、ピュアラブストーリーだなという印象だった。

本当凄い監督だな。
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