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アトランティックスのmingoのレビュー・感想・評価

アトランティックス(2019年製作の映画)
4.0
カーペンターやん。だがカーペンターよりアイロニカルでシネティックで面白い、2010年代の霊的サスペンスコメディのエポックメイキング。ドゥニやアピチャポンなどを受け継ぎ正当な映画作家として期待を超える良さがあった。何この点数…日本のリテラシーの低さやばい。


安美さん×月永さんトークメモ22.4.23

ブルータス2010年代この一本として月永さんが紹介。ネトフリで観るのとは違う。夜の場面が多いが細部の部分での気付き、それぞれの部屋の映し方。細部に置かれているモノが散りばめられてどういう人なのか説明している。男の居なくなった人の痕跡、ペンダントや男性用の化粧水。エイダのヒールが隅に転がっていたり。ラガールの街の表情。海の変わっていく景色を何度も。あびさん2019年のカンヌ以来。色んな表情が映っている。衝撃の長編一作目。他に短編いくつかとアトランティックスという短編がある。マティディオップは元々映画監督を目指していたわけではなくお母さんが白人のフランス人写真家、お父さんはセネガルのミュージシャン。叔父はトゥキブキを撮った。「フレノア」というアートセンターで学んでいるうちにクレールドニとの出会いで変わっていく、マティディオップ主演の「35杯のラムショット」。セネガルの労働者としての青年たち、微々たる給料でスペイン領からヨーロッパに向かっていったがその話はタブー的になっていた2019年。マティディオップはある一人の青年にインタビューをしてそれが本作のスレイマンのもとになった。その子も戻らなかったが残された家族アイラという子が本作の主演になっている。その他プラダ財団のコロナ禍で「インマイルーム」など。じぶんの物語というより物語るべきものを探している人。カーペンター「fog」の影響。海からの歴史、宿しているモノがゾンビに乗り移っている。男たちが乗り移ったから肩を怒らせて街を歩く、彼女たちが悪霊に取り憑かれたわけじゃなく彼女たちが解放されていくような気持ちよさもある。夜と昼間の境が映画というアートによって効果的に使われている。「光」元になった短編は最後の場面が大きな光を放つ場面で終わる。ライトハウスを観て巨大な光を放つことを知った。この映画では女が集うbarのライトボールなんだと思った、つまり=海からみえる灯台の光。エイダは灯台守になったのかな。彼女は今アフリカのベナンで企画を進行中。
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