あさひ

アトランティックスのあさひのレビュー・感想・評価

アトランティックス(2019年製作の映画)
5.0
大傑作だと思う。
官能的で、感情に直に訴えかけてくるような衝動性もある。それでいてファンタジックでロマンティックな面も持つ。これだけ色んな要素がてんこ盛りなら、渋滞しそうな気もするけど、それを見事なバランスで仕上げている。
もうため息が出るくらい、単純に面白かった。
生き別れてしまうまでに、たった一度しか2人の逢瀬のシーンはないのにも関わらず、2人の親密さは観客に痛いほど伝わってくる。この辺も不思議。

2人のラブストーリーがあくまで物語の軸でありながら、社会的な問題もしっかり取り扱っている。ただ、それも重くなり過ぎず、寓話的に描かれている。
社会的な階級の差を繋ぐのがファンタジー要素というのがより切ない。
監督の社会の現状への諦念感と、それでも希望を捨てきれない、そんな思いがファンタジーへと昇華しているような、そんな感じがした。

なんかあんまり感想が纏ってないけど、取り敢えず傑作だと思います。
あさひ

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