Soseki

ダブル・サスペクツ/ルーベ、嘆きの光のSosekiのレビュー・感想・評価

3.9
「ルーベ、嘆きの光」

監督の故郷ルーベは、北フランス、ベルギーとの国境近くに位置する町。かつては毛織物産業で栄えていたが、今は見る影もなく、フランスで最も貧しく犯罪も多い地域の一つ、らしい。

そんなルーベの「警察24時」といった趣の作品。実際、出演者は現地の住民、警察官も多数とのこと。
警察署長のダウードは北アフリカからの移民で、この寂れた町にしか居場所のない、それでも希望を持って生きる人々の象徴。

ストーリーの軸は一人暮らしの高齢女性の殺人事件。キーパーソンとなるシングルマザーの近所民がレア・セドゥ…やはりうまい。

題材から想像するより、後味は良い作品。
ラストの方で突然ワーグナーの音楽が流れてきて、デプレシャンの独特の好みみたいなものを感じる。
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