ダルデンヌ兄弟が1人の少年を通して宗教問題に斬り込んだ作品。
まだ自分が何者かさえわからない年齢のうちに過激な思想に洗脳されてしまう少年アメッド。導師の言葉により、学校の先生をイスラムの敵と見なし殺そうとする…
たった一人の少年の話だけれど、このストーリーは宗教で戦争やテロが起きる原因の一端でもある。
純真だからこそ陥る間違った信仰心。簡単に洗脳されてしまうけど、洗脳を解く難しさといったら…
途中、少年が母だけには甘えることが少し救いでもあった。父の存在が描かれていないから、導師に憧れるのはそのせいなのかな。
ラストは希望を描いているのかもしれないけど、私にはそうは思えなかった。