13歳の少年が過激な思想にのめり込み、彼の聖戦/ジハードに突き進む様を追う本作は、移民の子ども世代を取り巻く社会的な面と、誰にでも訪れる思春期の両面を描いているように見えた。
口うるさくも愛を注い…
昨年のカンヌで監督賞を受賞した作品とのことで。
手持ちカメラで、主人公の感情を追いかけるかのようなカメラワークが印象的でした。
説明台詞もほとんどなく、過剰なドラマ演出を極限までカットした、一寸の…
抑圧によって思想が先鋭化していく話かと思ったら性欲とのはざまで引き裂かれる姿が思いがけず微笑ましいのだけど、今にして思えばそれは彼を理解不能の怪物から一人の人間へ塗り替えるための共感を呼ぶ手続きであ…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
あらすじに「狂信的な考えに囚われた少年の気持ちを変えることはできるのだろうか……?」とあるが、主人公がママを求めたシーンを持って、それがなされたと解釈はできる。しかし、己の計画の失敗であったり、社会…
>>続きを読む新宿武蔵野館にて鑑賞。
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ダルデンヌ兄弟は「イゴールの約束」以来、前作の「午後八時の訪問者」以外は見てきた。かなり信頼をおいている僕の人生を伴奏してくれたような作品を作ってくれる監督だと思って…
ダルデンヌをしばらく見まくっていた時期があって、そのせいもあって、本作は良い意味でダルデンヌの集大成に近い作品だった。
「少年と自転車」と「ロルナの祈り」の人間の分かり合えない虚しさもありつつ、最後…
初期の秀作(息子のまなざし!)に比べると、最近のダルデンヌ兄弟作品は甘くなっているように思う。この兄弟の作品は赦すこと、慈悲の心がベースにある。今作もそうだが、一本調子の作劇のため映画としての趣きに…
>>続きを読むやってることは相変わらずなダルデンヌだが、宗教をテーマに扱ってしまったことによって曖昧な感情でも許されるところをある種の定義(先生、母親、女の子の違い)が付き纏う。そして、ダルデンヌといえば"その先…
>>続きを読む© Les Films Du Fleuve – Archipel 35 – France 2 Cinéma – Proximus – RTBF