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シチリアーノ 裏切りの美学のかずシネマのレビュー・感想・評価

3.5
実録もの。ドン・マシーノの半生。
(作品の字幕ではマジーノとなっている)
全然詳しくないので何処まで忠実なのかは分からない。
彼のウィキを読むと省略された部分や演出された部分もあったのだとは分かる。
実際の映像も一部流れている。

欧年のマフィアものの様な雰囲気が良い。少し軽さもある。
もしもゴッドファーザーを今撮っていたら、こういった鮮明な画になってたのかなぁ。
カメラ撮影と同時に人物紹介をしたり、画面左下に暗殺された人のカウントが出たり。演出も凝っていて、そしてキマっていて面白い。
カウントはあれだ。「スカーフェイス」の公式プロモーション動画のFワードカウントを思い出すw

どっちがマフィアか分からんな、という脅し方には少し吹いてしまったし、その分移送される時の優しさにも吹いてしまったし。
最初の裁判シーンも酷過ぎて吹く。
自分は見てないけど、実際の裁判の様子もYouTubeに上がってるそうな。見比べるのも面白いかもな。
裁判長のストレスヤバそう…。

車の爆発のシーンは臨場感あり過ぎて怖い。。ほんまに怖い。
実際にもあの暗殺のされ方をしたそうで、そして実際はもっと凄惨なはずで。怖い。。よう撮ったな。というか、ようあの生々しい演出をしたな。

マフィアは仕事をくれると一般市民がデモパレードをやっていたり、本来責めるべきは相手の筈なのに「弟が組織を裏切ったから私達家族が酷い目にあった、弟は卑怯者だ」と姉に罵られたり。
端的に言うと「マフィアもつらいよ」な作品だけども、フィクションのみの作品ではなかなか描写されないだろう事も描写されているのが良い点と思う。

マシーノは家族の事を思って涙を流す事もあれば、裁判シーンで「友を無くした」と寂しそうに言う事もある。
その一方でとてつもなく非情になれる。
様々な側面を持ち合わせているが、やはり一般的な感覚からは少しズレてしまっている。
そういう詳細な描写も良かった。
ラストシーンもかなり良い。わんこの演出が良かった。
ただ、少し長さは感じたけどね。

シチリアの方言って何言ってるのか分からないくらいのものなんやなぁ。
知らんかった、勉強になったわ。
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