河

7月の物語の河のレビュー・感想・評価

7月の物語(2017年製作の映画)
4.6
特に2部、はっちゃめちゃに良かった 2017年の時点で見ておきかった気持ちはある

https://filmarks.com/movies/89393/reviews/141009364

続き

『7月の物語』ではその人物が、自身もフランス外部の存在でありながらも伝統の中にある国際性を祝福する人物、かつ同じ外部である留学生とはまた隔てられた存在としての移民となっていて、だからこそ留学生に声をかけるのを2年間待ち望んでいた。

舞台はフランスを象徴するような革命記念日であり、そのフランスに対して外部から攻撃が加えられる。そして留学生と移民はそもそも外部であり、入ってこようとしたフランス人は排除される。その中でその国や置かれた状況の違いを跨いだ関係性が内部破綻する。その二つの終わりが互いに隔てられている。

主人公はフランスと自身のいる外部を繋ぐことのできるきっかけを与えられるが、それは失敗する。その失敗が外部同士での繋がりを得るきっかけになるがそれをきっかけに関係性が破綻する。もしフランスとの繋がりを得ていたとしたら、より悲劇的な結末に繋がっていたという、出口のないifの映画。
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