矢吹

小さな兵隊の矢吹のレビュー・感想・評価

小さな兵隊(1960年製作の映画)
3.8
苦難を避けるための時間は幸いにたっぷりある
その先の人生は、まじで、
思考の時代なのかもしれない。

行動の時間は終わり、思考の時間に入った。っていうモノローグから始まる、この話者の時間軸は、おそらく、映画の終わりから再び始めている。そのテンポは作品の中にも随所に出てきて、これがまた、気持ちよかったりもする。

お馴染みMao Tse-Tungのセイカリョウゲン。
革命は、船であり、光であり、子供のための未来のようなものなのらしい。
倫理は未来の美学である。
それは右と左のための言葉になるか。
恋をするかの賭けに、いかに鮮やかに負けられるか。
子供に戻れるようなゲームをするってことは大人ですかね。未熟でも大人です。

暗殺できるかできないか、
拷問を受け続けるかいなかの
スリルは、まあまあな
スパイアクションです。
が、
この映画が存在するのは、アンナカリーナの美しさのせい。なのかもしれない。
余罪はたっぷりあるかもな。
いつものように、若い彼には、
恋と使命と理想があって、いつのまにか全ての支払い期限がやってきて、さあ、どれに払うか、全てを手にするか、全てを失うか、新しい場所へ行くか。とざっくりそういう言うことなんだけど。
その確実にやってくる、支払い期限まで、
家のベッドの上でゴロゴロ寝ころびながら、
有る事無い事想い悩む。
これも思考の時代というのなら、
人はやっぱり行動し続けなければ、いけないと言う、一種の、しくじり先生なのかもしれない。
水道だけは、水道局行かなきゃいけないから、気をつけたほうがいいですよ。杉並区は。
そして、あとは言葉を待つのみだったけど、
最後に残ったのはやはり、沈黙となる。
何とも美しく、見える、言葉の映画。

昨日は遠くで君を思った。
今日は君の隣で別のことを考える。
矢吹

矢吹