YAZ

小さな兵隊のYAZのレビュー・感想・評価

小さな兵隊(1960年製作の映画)
4.1
ゴダールの観る

長篇2作目。アンナ・カリー
ナはゴダール作品初出演で
ノワールな映画

フランスの通信社カメラマンのブリュノ
もう一つの顔が極右組織の殺し屋。
友人の紹介でデンマーク人女性ヴェロニ
カと知り合うが

背景にあるアルジェリア戦争へのスタン
スがフランス当局に都合が悪い様で上映
禁止となり2年後に公開されたらしい

政治色濃い映画であるかもしれないけど
異国の女性に恋して右往左往する小さな
兵隊である暗殺者の物語としても充分に
面白くその視点だけで観ればとても分か
りやすくカリーナ演じる女性は運命の女
のようでもあります

アルジェリア戦争にやや否定的な教授の
暗殺を命じられるブリュノだが。。。

「勝手にしやがれ」でも思いましたが
ゴダールは室内での会話シーンを動的に
してしまう。口論でなくただの会話を。
些細な事かもしれないけどそういう所に
面白さが有ったりするなと思う。
室内で言うと拷問シーンも
良かったとは言い難いけどとても痛そう

そんな二人の会話に当局が眉をひそめる
だろうなのも有りますが、遠いところへ
二人で逃げちゃおうよの普通なカップル
の会話も

普通の幸せを手にしたいと願う普通でな
い世界に足踏み込んでしまった男女の哀
しい話でありました。
攻撃的かもしれないタイトル良いです
YAZ

YAZ