TAK44マグナム

Still Life(原題)のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

Still Life(原題)(2005年製作の映画)
3.5
若い男がドライブしている。
ある街にさしかかった時、ふと通り縁のベンチが気になった。
そこに座っているのがマネキン人形のように見えたからだ。
つぎの瞬間、気づく間も無く、車が何かとぶつかった。
すぐに停車し、恐る恐る外へ出た男は、不可思議な光景を目の当たりにした。
男がひいたそれは、マネキン人形だったのである。
頭部は割れ、破片が散らばっている。
ベンチの人影に声をかけても応答は無い。
仕方なく、救いを求めるかのように近くの建物に入ってみたが、やはりそこにもマネキン人形しか存在しなかった。
やがて、パトカーのサイレンが聞こえてきた。
人間もいるのか?
男が外の様子を伺うと、さっきはいなかった警官の姿をしたマネキン人形が破壊された人形をのぞきこんでいた。
やはり人形しかいない。
そんなバカな・・・
振り向くと、その場にいたマネキン人形たちがいつの間にか男の方を向いていた。
マネキンが動いている!
一目散に逃げ出した男は車に乗り込むが、燃料切れであった。
マネキンの警官たちがこちらに気付く。
まずい。
とにかく、この場を離れないと。
駆け出した男は、ある一軒の家に隠れようとするのだが・・・


マネキンしかいない謎の街に彷徨いこんだ男の悲劇を描いたショートフィルムです。
ジャンプに連載されていた「アウターゾーン」にもマネキンだらけの街で恐ろしい体験をするエピソードがありましたが、実際、マネキンに囲まれ、しかもちょっと目を離すと一瞬で近づいてきたりするとなるとビビりますねぇ・・・
無表情が怖さに拍車をかけます。

ちゃんとしたオチがあって、それはそれで嫌な気分にさせてくれますけれど、とにかくマネキン人形が佇んでいるだけでも怖いというのが出色。


少しネタバレ気味で勝手に考察すると、最初に見たベンチのは、もしかしたら本当にマネキン人形だったのかもしれませんね。
声をかけても返事も何も無かったし。もしくは耳が聴こえない人だったか。
ここでマネキン人形が強烈に刷り込まれ、直後の事故を無かったことにしたい心理・・・そういった現実逃避が「ここにはマネキンしかいない。ひいたのもマネキンだから大丈夫」と男に思い込ませたのかもしれませんね。


YouTubeにて