2020/12/30(水) TSUTAYA DISCAS定額レンタルにて鑑賞。
1990年のモスクワ。土産物販売の露店で冴えない仕事をしていたアナだったが、モデル事務所のスカウトマンに見初められ、パリでモデルデビューを果たした。シンデレラストーリーかのように見えた話であったが、裏にはソ連のスパイ機関であるKGBの策略が隠されていた・・・
2020年に劇場公開されて、観たかったけど観逃してしまった映画をようやく!観終わってから公式サイトのあらすじを読みましたが、終盤までのストーリーがガッツリ書いてあるので読まない方がいいです。
とはいえ導入部が「???」となる事は間違いなしなので、序盤で挫折しそうな人がいそうな気も。
物語は1985年から始まるのですが、色んな人が突如捕まったり事故によって殺されたり。それが何だったのかが明かされるのが中盤なので長い間「あれは何だったんだろう」と僕はモヤモヤさせられたので。
そんな1985年の出来事から5年後、モスクワでのシーンが描かれ、ちょっと話を進めて今度は3年前に戻って当時に何があったかを描き、また3年後に戻るといった、丁寧な時系列描写の種明かしで話が進んでいきます。
これも好みが分かれそうで、正直「何度も“〇年前とか〇年後”っていちいち説明するなよー」と最初は萎えた部分。
とはいえそこを乗り越えれば「あ、そういう事だったのね!」と流れについていけると思うので、まずはそういう映画と認識しておけば問題ないかと。
最初の見せ場が、アナがレストランでミッションをこなすシーン。正直「ここを冒頭にもってきても良かったのでは?」と思うくらいに最高にイカしていたシーンでした。リハーサルに4カ月、撮影に7日間をかけたとの事でハチャメチャ具合が素晴らしかったです。
アナを演じたサッシャ・ルスはモデルながらスタントは使わずトレーニングを重ね自身で演じたという事で、その熱量がビシバシに迸っておりました。
178cmという長身から繰り出されるアクションの数々、返り血を浴びる顔が美しい事この上なくて、その切り取り方に「あー!これぞリュック・ベッソンだなあ」と感じた極上のシーンでした。必見。
観終わって即行でサッシャ・ルスのインスタをフォローしたくらいに彼女の魅力全開な映画かと。
脇を固めるキャストも存在感があり、アナをスカウトしたKGB捜査官アレクセイをルーク・エヴァンスが好演。アナとは恋仲になるのですが、濡れ場はうらやまけしからんでしたね…。
そして殺し屋としてアナを手厳しく教育したオルガ役のヘレン・ミレンがめちゃいい味を出してました。最初は嫌味ったらしいおばちゃんだけど、アナに徐々に情を注いでいく雰囲気が秀逸。
ストーリーはスパイもので良くも悪くも安定していると言えるけど、目新しさはあまりないかも。それでも「あの時にこんな事が!じゃあこれからどうするんだろう…」という謎解きを考えながら観られて楽しかったです。
(1980年代後半から90年にかけての話なのに、そこそこ高性能っぽいノートPCとUSBメモリぽいものががあったのかとか、ちょいちょい気になる所はありましたが)
難解な部分はあまり無いので気軽に観られるスパイアクション映画としておすすめです。
[2020-190]