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ANNA/アナのhasseのネタバレレビュー・内容・結末

ANNA/アナ(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ベッソンといえば、叩き上げの女殺し屋。本作もまさにそう。
冒頭の、同時多発的に人が連行されるショットの連続で神作を確信しかけたが、時間軸を操作しての種明かしスタイルがつづいてやや鼻白んでしまった。
KGBとCIAの二重スパイとなり、自由を渇望しながらも両陣営の手駒としてからめとられていく主人公を追うストーリーはかなり面白く、クライマックスの公園のシーンでは両陣営を出し抜き、さらには主人公を使って出世を企んだKGBの老獪な上司をも騙しきって自由を手に入れる展開も爽快感がある。それだけに、構成が残念だった。

主演のサッシャ・ルスの180センチ弱あるスレンダーな肢体がかなりアクション映えする。長官殺害後のKGB脱出シーンで階段から飛び降りる際のしなやかな腕と脚の動きの躍動感たるや、惚れ惚れする。

『クイーン』でのエリザベス女王等、ゴージャスで品のある役柄のイメージが強いヘレン・ミレンが、陰気くさいKGB幹部を怪演。アナの行動をプライベートまで常に監視し、仏頂面でタバコを吸いながらネチネチと嫌味をいいつづけ、いつもじっと一点を見つめて何を考えているかわからない不気味さを湛えたキャラクターは、アクション映画において新鮮な女性上司像を作り上げることに成功している。
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